第98回関西支部定例研究会
1.期日:平成25年7月13日(土) 14:00~17:00
2.場所:名城大学名駅サテライト(MSAT)
3.講師:成田富夫(会員)
宮杉浩泰(明治大学客員研究員)
4.演題:(成田氏)「ディロンの第一次ロシア革命についての見方」
:(宮杉氏)「独ソ開戦以後の日本の対ソ情報活動と戦中期対ソ認識」
この日の前半は、アイルランド出身のジャーナリストE.J.ディロンの第一次ロシア革命に関する見解が詳細に報告された。自由主義的ジャーナリストである彼は、議会主義的な穏健な方向に革命が進行することを期待するが、事態は、彼の期待とはうらはらに、極端な階級主義の方向に進んでいったことが説明された。
後半は、日本の対ソ情報解読のための、ドイツとの協力とその成果についての研究発表であった。アメリカが解読した日本の陸軍の情報のコピー、ソ連の暗号解読の成果を示す史料が配布された。また報告はそれにとどまらず、第二次世界大戦終わりまで、日本の政策決定者が、ロシアの仲介に期待を寄せ続けた原因の考察がおこなわれ、その中で、ソ連が流す欺瞞情報の痕跡が残る史料も提示され、大変興味深かった。