- 日時:平成24年7月14日(土) 14:00~17:00
- 場所:名城大学名駅サテライト(MSAT)
- 講師:大野哲弥(国際通信史研究者)
石川徳幸(日本大学法学部助手) - 演題:(大野氏)「明治期の軍事通信-海底ケーブルと無線通信-」
(石川氏)「日露開戦論とマス・メディア:対露強硬派のメディア利用に関する一考察」
この日の報告は日露戦争に関わるものであった。軍事通信に関する大野報告では、日露戦争前における海底ケーブル敷設状況を論じた後に、この戦争において、新しい技術としての無線通信がいかに使用されたのかを、黄海海戦、蔚山沖海戦を用いて説明した。
他方石川報告は、前半においては、日露戦争前における、東京で発行された主要6紙のロシア関連記事の量的分析を通じて、明治36年10月のロシア第3次撤兵期限に、記事量が最大になること、主要紙の対露開戦論への転換の時点もほぼこの時点に当たることを示した。後半においては、例外的に早期に対露開戦論を主張した『日本週報』とその編集に携わった五百木良三について紹介がおこなわれた。