第83回関西支部定例研究会
- 期日: 平成21年10月31日(土)14:00~16:00
- 場所: 大阪学院大学 17号館1階 レセプションA会議室
- 講師: 広中一成氏(愛知大学大学院中国研究科博士後期課程)
- 演題: 天津における金属献納運動(1940-1945)
この日の研究会には、会員16人が参加しました。報告テーマは、1940年から1945年にかけて華北でおこなわれた金属献納運動について、天津の事例を考察するものでした。多数の史料を縦横無尽に解説する、大変丁寧な報告であり、現時点ではこのことに関する概説的研究のみが存在していることを勘案すれば、先駆的な報告と言えます。
当初は、天津特別市の金属献納運動と日本軍の直接買い付けが、平行しておこなわれていたこと。太平洋戦争勃発とともに、天津特別市は日本軍と協力して献納運動を推進したこと。しかし献納運動は、目標量に届かなかったことなどが報告されました。
報告後は、熱のこもった討議がおこなわれました。回収方法ならびに回収された金属の利用方法などという具体的的なものから、比較研究の必要性、はては史料の信頼性の問題という抽象的な議論までが戦わされました。