第82回関西支部定例研究会
- 期日:平成21年7月25日(土) 14:00~17:00
- 場所:名城大学MSAT
- 講師:池井優(慶応大学名誉教授)
庄司潤一郎(防衛省防衛研究所戦史部上席研究官) - 演題:(池井氏)「戦争と軍歌」
:(庄司氏)「「日中歴史共同研究」に参加して-ドイツ・ポーランド教科書対話との比較を通して-」
猛暑の中、名古屋駅前の名城大学サテライト教室において参加者19名で研究会が開催されました。
池井氏の報告は、戦争と軍歌をめぐる、日清戦争から大東亜戦争、さらに戦後までを概観した報告でした。藤山一郎が慰問で、兵士のリクエストに応えて、排斥されていた「湖畔の宿」に応じ、監視者は見て見ぬ振りをしたなど興味深いエピソードが満載でした。講師は声が朗々と通り、語り口が滑らかで、歯切れが良く、あたかも講談を聞いているかのような気にさせらました。
庄司氏の報告は大変アクチュアルな問題にかかわるものでした。その成果報告書の発表が延期されているので、共同研究をやらなければよかったという批判も出ている中、双方に歴史認識や方法論の違いを理解できた意義は大きいと述べられ、37年も継続しているドイツとポーランドの対話と比較して、今回の共同研究は出発点に過ぎないと冷静に指摘されたのが印象的でした。