- 講師:木田 信正氏(神戸学院大学大学院人間文化学研究科地域文化論専攻博士後期課程)
- 演題:「アルミニウムの発見から始まる近代軍需産業の発展とその考察」
- 日時:令和7年11月15日(土) 14:00~16:00
- 場所:大阪学院大学
第130回の関西支部例会は、中国で長年にわたり螢石の調達に尽力されたビジネスマンがまとめた研究の発表であった。発表のテーマは、アルミニウム開発という視点から見た太平洋戦争までの日本の近代史である。19世紀末に大阪砲兵工廠で兵器の素材としてアルミニウムの重要性が提言され、その国産化が図られたこと。また第一次世界大戦期のドイツのツェッペリン型飛行船の破片分析から始まったジュラルミン開発。それがさらに超々ジュラルミンへと発展し、主に航空機の素材となったこと、ならびにそこにおける官民の協力が語られた。この発表が異彩を放っていたのは、従来それほど重視されたとは言い難いアルミニウム精錬に用いられる螢石の意義が語られたことであった。熱意のこもった報告にふさわしく、討議も熱を帯びたものとなったことを付言する。



