第106回関西支部定例研究会
講師 金文子氏(朝鮮史研究会会員)
D.B.パヴロフ氏(ロシア科学アカデミー・ロシア史研究所副所長)
演題 (金氏)「日露戦争と大韓帝国-日本海軍の通信戦略を中心に」
(パヴロフ氏)「第一次世界大戦と日露関係-ロシア側史料からの検証」
日時 平成27年10月3日(土)午後2時~午後5時
場所 名城大学名駅サテライト(MSAT)
金報告においては、日露戦争開戦に至る過程で、日本が韓国から通信権を奪い、通信支配を確立するプロセスがミクロの視点から分析された。このことが日本の韓国における勢力圏確立にとって大きな意味があるという見立てである。他方、パヴロフ報告では、第一次世界大戦時の日露関係の概観が提示された。その中心となったのは日本のロシアに対する大量の軍需品輸出であった。さらに相互に中国における影響範囲も認めあった。二つの報告とも、広い意味で日露関係に関わるものであり、それぞれユニークな視座からの報告であった。