第100回関西支部定例研究会
1.期日:平成26年1月11日(土) 14:00~17:00
2.場所:名城大学名駅サテライト(MSAT)
3.講師:中田 崇(日本大学文理学部人文科学研究所研究員)
:飯倉 章(城西国際大学国際人文学部教授)
4.演題:(中田氏)「日中戦争期における中国国民党中央宣伝部国際宣伝処の対米宣伝工作」
:(飯倉氏)「第一次世界大戦期のドイツの諷刺画に見る“敵国”日本-『黄禍論と日本人』を基にして-」
中田氏の報告では、国民党国際宣伝処のエージェントである、オーストラリア人新聞記者ティンパリー(Harold J. Timperley)の対米活動が、資料に基づき極めて丁寧に説明された。彼は、トランスパシフィック・ニュースサービスの陰の責任者として、米国でニュースを配信した。その結果、米国における中国支持の声が高まった。
飯倉氏の報告では、ドイツのいくつかの雑誌に見られる日本の風刺画十数葉を手掛かりにして日本イメージの変遷が語られた。英国に操られるサル、「黄禍の図」のパロディー、または、髭を生やした出っ歯の軍人像などが紹介された。これらの風刺画の背後には、ドイツ世論の日本観がうかがわれるというものであった。