- 期日: 平成22年4月24日(土)14:00~16:00
- 場所: 大阪学院大学 17号館1階 レセプションA会議室
- 講師: 湊 晋平氏(会員)
- 演題: 犬養内閣と満州事変
この報告では、まず、国際政治史的観点から満州事変のオーソドックスな分析がおこなわれました。そのうえで、報告者の未公刊小説「青い手紙」が紹介されました。
この小説は犬養毅内閣の満州事変への対応を主題とします。タイトル「青い手紙」とは、満州事変のさなか、張学良が犬養に宛てたとされる書簡です。報告者は、この「青い手紙」の内容を、当時の日中両国国政府の政策を考慮して、張学良の立場を割り出し、文学的手法で表現しました。
犬養毅は、満州事変の穏健な解決をめざしていたのですが、日中が合同で政務委員会を作ることがその解決策の中核にありました。張学良は、このことを知り、自らを政務委員会の長に任命するように求め、その代償として彼が持っていた財宝を犬養に提供すると提案した。もちろん犬養はこのような申し出を一蹴したというものです。
もちろんこの書簡の内容は創作でありますが、参加者の想像力を刺激することが多いものでした。